090金融とは?悪質な勧誘・取り立ての手口と借りてしまったときの対処法

090金融とは?悪質な勧誘・取り立ての手口と借りてしまったときの対処法
グリフィン法務事務所

この記事の監修
グリフィン法務事務所 司法書士 今井 亨

東京司法書⼠会:7970/代理権認定番号:712017
闇金問題の被害者救済の専門家として活動する司法書士です。闇金トラブルの取扱い件数は国内トップクラスの実績があります。適切かつ迅速にサポートすることをモットーにしています。

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090金融とは携帯電話のみを使って勧誘から貸し付け、取り立てまでをする闇金業者のことです。

090金融は超高金利での貸し付けと悪質な取り立てが有名です。「30分で融資」「審査なし」などの甘い言葉に釣られて利用すると、さまざまなトラブルに巻き込まれます。

この記事では、090金融の実態や勧誘・取立ての具体的な手口とともに、解決するための対処法について詳しくご紹介します。

090金融とは

090金融とは、携帯電話のみを使って貸金業をおこなう闇金業者のことです。携帯電話番号の最初の3桁が「090」で始まることから、このような名称で呼ばれるようになりました。

現在では、携帯番号が080、070で始まる番号も出てきていますが、これらの番号を使って貸金業をおこなう闇金も090金融に大別されます。

なお、現在の闇金のほとんどが固定電話は使わず携帯電話のみで営業するため、すべての闇金は090金融であるということも言えます。

しかし、090金融と呼ばれる業者は他の違法金融に比べて、さらに悪質性が高いという特徴があります。

勧誘のチラシに携帯電話の番号と業者名しか書かず、正体を明かさないまま、違法な高金利で小口の融資を行う。

【引用】金融庁

090金融は強引で暴力的な旧来型の闇金業者

昨今の闇金は、ソフト闇金を代表するように厳しい取り立てはおこなわず親切なふりをして、利用者を手なづけようとする手口を使う業者が増えています。

これは、「利用者に細く長く利息を支払わせる」「警察に逮捕されないようにする」「弁護士・司法書士に介入されないようにする」といった目的からです。

一方、090金融と言われるような闇金はひと昔前に存在した暴力的で強引な取り立てをする業者が多いです。ソフト闇金とは真逆で、「怒鳴り散らして恫喝する」「殺すぞ!死ね!などと脅す」ことで、恐怖心を植え付けることで、おとなしく支払わせようとします。

警察に逮捕されるリスクを恐れず、お金を支払わせるためには手段を選ばない業者が多いのが特徴です。090金融は最も関わってはいけないタイプの闇金業者だと言えるでしょう。

090金融の勧誘手口

090金融は利用者を増やすためにあらゆる手段の勧誘手口を使いますが、どちらかと言うと昔からある宣伝・広告や債務者名簿を使った勧誘が多いのが特徴です。

しかし、最近では年齢が若いネット知識に長けた090金融の運営者(店長)がSNSなどを使って勧誘するケースも増えていますので要注意です。

090金融の具体的な勧誘手法をご紹介します。

貼り紙

090金融は、街中の公衆電話、電柱、壁などに貼り紙を貼って、お金に困った利用者を勧誘します。

かつては、堂々と目立つ場所に貼り紙を貼っていましたが、昨今ではあまり目立ち過ぎると、警察に取締りを受けるため、あえて人通りが少ない裏道などの場所を選んで宣伝チラシを貼ります。

その貼り紙に「即時融資」「専業主婦歓迎」「審査なし」の宣伝文句とともに連絡先に携帯番号が書かれていれば、それは090金融ですので要注意です。

ポスティング

090金融はチラシを作成してそれらをポスティングする手法も使います。

ポスティングする場所は、単身世帯が多く住むアパート、独居の高齢者が住む団地、独身寮、ギャンブル場の周辺など、お金を必要とするターゲットが住むようなエリアです。

ポスティングをする090金融は、周辺に事務所を構えている可能性があります。支払えなくなると、家や職場に直接取り立てに来る可能性がありますので、利用するリスクは高いです。

夕刊紙・スポーツ新聞・雑誌広告

一部の夕刊紙、スポーツ新聞、アダルト雑誌の中には広告掲載基準が甘い媒体があります。怪しい融資案内の広告が多数掲載されていますが、その中には090金融の広告も含まれます。

3行広告と呼ばれる、3行程度にまとめられた広告に融資案内と携帯番号だけが書かれていたら、それは090金融の可能性が高いでしょう。

ダイレクトメール

ダイレクトメール(DM)とは、個人や法人宛てに宣伝目的で送付されるチラシやカタログのことです。090金融は債務者名簿を購入して、その人たちにDMを送りつけます。

債務整理をすると一般金融から借り入れができなくなるため、090金融はそれらの人を狙って「破産者にも貸します」「審査不要です」などと勧誘します。

個人再生や自己破産をすると国が発行する機関紙である「官報」に名前・住所が載りますが、特にそれらの債務者たちをターゲットにDMを郵送して勧誘します。

電話による勧誘

090金融は過去に闇金に借りたことがある人の名簿を手に入れて、直接電話で勧誘してくることもします。

「お金に困っていませんか?」「すぐに入金できますよ」などと、最初は優しく応対するため、目先のお金に困っている人は、親切な貸金業者かもしれない?と勘違いして、借りてしまうケースが後を絶ちません。

かつて闇金を利用した場合、電話番号などは別な闇金に出回っている可能性が高いので、電話番号を変えるなどして対策をする必要があります。

SMS(ショートメッセージ)

SMSは携帯電話同士でやり取りができるメッセージサービスです。090金融はこのSMS宛に融資の案内を送り付けて勧誘します。

一般の金融業者はこのように許可なく個人のSMSに勧誘メールを送るようなことはしません。このような連絡が来たら、ほぼ100%が090金融や闇金ですので、決して返信はしないことです。

SNS

090金融の中でもネットの扱いに慣れた業者は、SNSを使って積極的に勧誘をおこないます。Twitterを使って「30分後に振り込みます」「ブラックの方にも貸します」などのツイートを流したり、逆にお金を借りたいという希望者を探して融資の案内もします。

また、LINE、Instagramなどを使って勧誘をおこなうこともあります。SNSは無料で利用できて宣伝費用をかけずに、お金を借りたい人にアプローチできるため、最近では多くの090金融が勧誘に活用し始めています。

FAXを使って事業者向けに勧誘する

FAX DMというファクシミリを使って企業や個人事業主などにダイレクトメールを送るという宣伝方法があります。

このように企業を狙った闇金に「システム金融」というものがありますが、090金融の中にも企業・個人見境なくFAX DMを送り付けて融資案内をする業者がいます。

連絡先には携帯番号しか書かれていなければ、それは090金融ですので借りてはいけません。

090金融の違法行為・取り立ての手口

090金融は、高金利で貸し付けた利用者が返済できなくなると、様々な違法行為による取り立て・嫌がらせをします。その悪質な手口をご紹介します。

法外な金利による貸し付けをする

日本には利息制限法という法律によって上限金利が設けられており、その年利は以下のように貸し付ける金額に応じて15〜20%と定められています。

この金利を超える貸し付けは違法行為ですので、処罰の対象になります。しかし、090金融はこれらの金利を大幅に超える利率で貸し付けをします。

10万円未満 年20%
10〜100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

しかも、一般的な闇金は「トイチ(10日で3割)」や「トゴ(10日で5割)」といった金利が多いですが、090金融はさらに高く7日で3割、7日で5割のような超高金利で貸付けをします。

暴力的な取り立てをおこなう

090金融の取り立ては暴力的でしつこいのが特徴です。少しでも支払いが遅れると、直ぐに電話をかけてきます。

その際、大声で怒鳴り散らし「人格を否定するような暴言」「身の危険を脅かす文句」を浴びせ、恐怖を植え付けて支払いに応じさせようとします。

家族に支払わせようとする

090金融は利用者の支払いが遅れると必ず家族に電話してきて親・兄弟に対して取り立てをします。

例えば、ソフト闇金の場合は家族へ電話する目的は利用者にプレッシャーを与えるためというケースが多いですが、090金融は家族に対して本気で取り立てをします。

「親が立て替えるのは当然だ!」「払わないと毎日電話するぞ」と、借りてもいない家族に対してもお金を支払わせるためには容赦しません。

職場に電話して取り立てをする

090金融は利用者の職場に電話をしてきて、会社に支払えとしつこく電話してきます。

「本人の給料を返済にまわせ!」「会社が肩代りしろ!」など、会社に対しても請求を求めてくることがあります。それに応じないと同僚・上司に対しても暴言を吐いて嫌がらせをします。

090金融からお金を借りてはいけない理由

ここまで090金融の悪質性について説明してきましたが、実際にお金を借りると様々なトラブルに巻き込まれます。

ここからは、絶対に090金融を利用してはいけない理由について、具体例を挙げながらご紹介します。

法外な金利で借金がすぐに膨れ上がる

090金融は法律を無視した法外な金利で貸し付けるため、滞納したり、利息だけを支払うだけだと、短期間で借金がどんどん膨れ上がります。

090金融の多くは利息にも利息がつく複利計算にしているため、あっという間に借金総額が増え続けます。

会社を解雇されたり辞めざるを得なくなる

090金融は会社に対しても取り立てをしたり嫌がらせをすることはすでに述べましたが、これによって、利用者本人は職場で窮地に追い込まれます。当然、会社は以下のようにマイナス評価をします。

  • お金の管理ができていない
  • 闇金に手を出す素行不良である
  • 会社に迷惑をかけた

このような理由から会社に居づらくなったり、自主退職を求められるケースもあります。

家庭が崩壊するおそれがある

090金融は支払えなくなると、親や兄弟・配偶者にも苛烈な取り立てをします。家族まで闇金トラブルに巻き込んでしまい、一家離散、離婚などにもつながることもあります。

家族に内緒で闇金に借り入れをするケースが多く、それが余計に不信感を招きます。家族にはいち早く借金の事を伝えて、解決の意思があることを伝える必要があります。

完済させてもらえずに関係を断ち切れない

090金融の中には利用者に完済させるよりも、長きにわたって法外な利息や延滞金を支払わせることを目的とする悪質業者がいます。

利用者が完済したいと申し出ると、「今回は利息だけ払えばいい」「今月は完済の手続きは締め切った」など、何らかの理由をつけて完済させないようにします。

090金融のような反社会勢力との関係がいつまでも断ち切れなければ、社会生活を送る上でリスクを背負ったままの状態が続くことになります。

犯罪行為への加担を迫られる

090金融の金利は法外ですので、利息だけでも返済をし続けるのは困難なことです。いつか必ず返済に行き詰まりますが、090金融はそのタイミングを見計らって、犯罪行為に加担するように迫ってきます。

例えば、返済を待つことを条件に「携帯電話や銀行口座の提供」「客振り(客が別な客に振り込むこと)」「090金融の仕事の手伝い」など、犯罪行為の手伝いをさせられる可能性があります。

このような違法行為に加担してしまうと、銀行口座を凍結されたり、警察に逮捕されるリスクがあります。

個人情報が他の闇金に共有されて2次被害が生じる

一度でも090金融を利用したり連絡をとったりすると、名前や住所、電話番号などの個人情報が闇金業者間で共有されてしまいます。

たとえ完済できたとしても闇金を利用した履歴は残ってしまうため、他の闇金業者のターゲットになります。押し貸しに遭うなど、2次被害と言えるような新たなトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

090金融のトラブルの対処法と相談先

090金融は悪質性が高い闇金ですので、うっかり利用してしまうことで、様々なトラブルが生じます。相手は闇金の中でも暴力的なタイプですので、自分で交渉して解決するのは難しいでしょう。

適切な対処法は警察や弁護士・司法書士といった専門機関に相談して解決することです。

警察に相談する

090金融の強引で暴力的な取り立て・嫌がらせで困ったら警察に相談してみましょう。まずは警察署の安全課に足を運び被害届を提出します。

その際、担当の警察官がどのように判断するかを見極めることが大切です。事件を重く見た警察がすぐに動いてくれたら、そのまま任せれば良いでしょう。

ただし、事件性が少ないと判断したら、「もう少し様子を見ましょう」「弁護士へに相談してみるといい」というように具体的に動いてくれない可能性があります。

090金融の取り立てが厳しく一刻を争うようならば、警察への相談と同時に弁護士・司法書士へも相談されることをおすすめします。

弁護士・司法書士に依頼して解決する

弁護士・司法書士は法律の専門家は、依頼人の代理人として090金融のような違法貸金業者との交渉を対応してくれます。依頼すれば以下のような解決を期待できます。

  • 元本・利息ともに返済不要になる
  • すぐに取り立てや嫌がらせを止めてくれる
  • 職場に代理人になったことと解決へ向けた事情説明をしてくれる
  • 家族の関係修復へのアドバイスをしてくれる
  • 090金融との関係を断ち切ってくれる

090金融のような違法金融への対応に強い弁護士・司法書士ならば、迅速に解決に向けて交渉してくれます。職場へのサポート、家族を安心させる助言などにも対応してくれます。

根本的な解決をしたいならば、法律の専門家への依頼がスピーディーで効果的です。

まとめ

090金融は、闇金の中でも最も悪質性が高い業者ですので、お金を借りないことが一番ですが、もし手を出してしまったならば、法律の専門家へ相談して解決を急ぐのがよいでしょう。

グリフィン法務事務所は、違法金融に強い司法書士事務所です。お悩みならば、当事務所にご連絡ください。