クレジットカード悪用“違法金利”でカネを 男7人逮捕
現金化業社社長、藤田幸夫容疑者(41)
山川浩太郎容疑者(33) ら7人
男女5人に対しクレジットカードで購入させた商品を買い取る名目でカネを貸し、違法に高い利息を受け取った疑い
クレジットカードのショッピング枠の現金化をうたい、違法な高金利で金を貸し付けたとして、警視庁生活経済課は27日までに、出資法違反(高金利など)容疑で、古物商「トラストオブファイブ」(東京都世田谷区)の社長藤田幸夫容疑者(41)=世田谷区赤堤=と会社役員長沢雅人容疑者(35)=目黒区大橋=ら7人を逮捕した。
同課は認否を明らかにしていない。
同課によると、2018年3月~21年12月、全国の5900人に計約23億5000万円を貸し付けた上、法定金利の最大80倍の利息を取るなどして、約9億5000万円の利益を上げていたとみられる。
ウェブサイトで「安心できる」「即日振り込み」などと説明して顧客を募集。長沢容疑者が代表を務める通販会社で商品を購入させたように装っていたが、商品は実在していなかった。
クレジットカード決済代行業者から商品の購入代金全額を受け取る一方、利子相当分を差し引いた金額を利用者に振り込む形で貸し付けていた。
逮捕容疑は20年3月25日~21年2月15日ごろ、都内の男性など5人に対し、クレジットカードによる商品購入を装って金を貸し付け、法定金利を超える利息を受け取った疑い。
クレジットカードの買い物利用枠を使って実質的に違法な高利貸をしたとして、警視庁は、「安心くん」など五つのサイトで客を勧誘していた運営会社「トラストオブファイブ」=東京都世田谷区=の社長、藤田幸夫容疑者(41)=世田谷区=ら計7人を出資法違反(超高金利)容疑で逮捕し、27日発表した。法人としての同社も同容疑で書類送検した。
捜査関係者によると、同社はカードの買い物利用枠を「現金化」する業者。現金を必要とする客に対し、架空の取引によるカード決済をさせ、決済額の一部をキャッシュバックした残りの差額を得ていた。警視庁は、キャッシュバック分は実質的に客への貸し付けにあたり、決済額との差額分は違法に高い利息だったとみている。
同社は、自ら運営する5サイトを通じて2018年3月~21年12月に全国の約5900人にカードで決済させた金額のうち約23億5千万円をキャッシュバックし、約9億5千万円の利益を得ていたという。「安心くん」のHPでは「入金は最短10分」「最高換金率98%」などと宣伝していた。
生活経済課によると、7人の逮捕容疑は20年3月~21年2月、運営する通信販売業者から客5人が計約380万円分のパソコンなどをカードで買ったように装い、それを計約254万円で買い戻したように見せかけキャッシュバックし、差額の約126万円を利息として受け取った疑いがある。客によっては、利息は法定の約80倍だった。同課は7人の認否を明らかにしていない。
朝日新聞社