闇金はお金に困った利用者を様々な手口を使って勧誘します。業態の種類、サービス名、屋号を変えるなどして巧妙に貸付けをおこないます。
中には闇金だと気づかれないように「一般の貸金業者」や「新しい金融サービス」を装って利用者を勧誘する手口もありますので、注意しなくてはなりません。
いずれの業者もかたちは違っても闇金には変わりありませんので、法外な利息で貸し付けて悪質な取り立てをおこないます。
そこで、この記事では闇金の種類と悪質な融資の手口をご紹介しますので参考になさってください。
闇金の種類と勧誘手口
闇金と聞くと反社会勢力が法外な利息で貸し付けて暴力的な取り立てをおこなう業者というイメージを持つ方は多いでしょう。今だにそのような古いタイプの闇金もありますが、最近では優良貸金業者を装ったり、闇金だと気づかれないように別な金融サービスに見せるような業者も増えています。
最近の闇金の種類と悪質な融資の手口をご紹介します。騙されないように気をつけましょう。
ソフト闇金
ソフト闇金は、平成15年のヤミ金融対策法の施行後に出てきた業態で、現在の闇金の主流となっています。一般金融のようにソフトな対応で暴力的な取立てはしません。
このように親切なフリをする目的は、利用者に細く長く利息を支払わせるためであり、利用者が警察・弁護士にかけこまないようにするためでもあります。
ソフト闇金は、従来の闇金と違ってインターネットを積極的に活用するなどして、ホームページやSNSを使い利用者を勧誘します。優良性と安全性を宣伝文句に勧誘するため、信用してしまい借り入れをする人は跡を絶ちません。
金利はトサン・トゴといった超高金利で貸し付けますので、従来の闇金と悪質性では何ら変わりありません。ソフト闇金は、利用者に無理に完済させずに長期間にわたって利息を支払わせるという手口を使う違法金融業者です。
090金融
090金融は、携帯電話のみを使って勧誘から貸し付け・取り立てまでをおこなう闇金業者です。090、080、070などの番号で始まる携帯電話のみを使うことから、このような名称で呼ばれます。ソフト闇金などに比べると取り立てが厳しく暴力的な対応をします。
勧誘方法は、名簿業者から仕入れた債務者情報をもとに、主にチラシ、ダイレクトメール、SMSなどを使います。その際、大手金融に似せた名称の屋号を使って優良金融業者を装おうのが特徴です。そのチラシなどの連絡先に携帯番号しか書かれていなければ、それは090金融の可能性が高いため要注意です。
LINE闇金
LINE闇金とは、SNSや個人間融資掲示板などでお金に困った人を探してLINEに誘導して貸付けをする手口です。闇金がLINEに誘導する理由は無料でメール・電話を使えることと証拠が残りにくく検挙されるリスクが低いためです。
最初は個人融資のように見せかけるため、安心して融資を受けたところ、高額な利息、悪質な取り立てにより、利用者はようやく闇金だと気づくケースが多いようです。また、個人がLINE闇金のマネをしてLINEを使って違法に貸付をするような手口も最近は多くなっています。
偽装質屋
偽装質屋はその名のとおりで質屋を装った闇金の手口です。質草は特に選ばず、無価値なものでも質に取り、法外な金利で貸し付けをおこないます。ターゲットは主に高齢者でその年金を狙ったものです。
支払いができなくなった高齢者の弱みをつかんで年金を引き落とすなどの悪質な行為をおこないます。
システム金融
システム金融は、中小零細企業経営者、個人事業者を狙ってFAX DMやダイレクトメールを使って勧誘する闇金の手口です。手形や小切手を担保に超高金利で貸し付けをします。
偽装ファクタリング
ファクタリングとは、企業が持つ債権（売掛）をファクタリング会社が買取って、その回収業務をおこなう金融ビジネスのことです。
偽装ファクタリングとは、闇金がこの仕組を利用して、お金に困った企業が持ち込んだ債権（売掛）を買い取って、期日を設けて高額な手数料を上乗せして買い戻させるというものです。つまり、買取が融資で買い戻しが返済にあたる違法な金融行為です。
自動車金融
自動車金融は、自動車を担保に融資をする業者のことで車金融とも呼ばれます。よく電柱や壁紙に「車を担保に融資」「車でお金貸します」などの貼り紙を見かけることがありますが、これらは自動車金融です。
「乗ったまま融資」と呼ばれる車を担保として預からない方法と「預かり融資」と呼ばれる担保に取られる方法があります。自動車金融は貸金業に登録している業者もありますが、闇金も多いため注意が必要です。
チケット金融
チケット金融は、新幹線の乗車回数券などを定価の6割程度の値段で利用者に販売して、期日に定価の金額を支払わせるといったサービスです。
その4割程の差額は利息にあたり、全額を返済させるというサービスの仕組みは違法な貸金業に該当します。また、法外な利息を取る闇金行為です。
クレジットカード現金化
クレジットカード現金化には、クレジットカードのショッピング枠を利用して、高額商品を購入して、それを売ることで現金化する買取方式。現金化業者からクレジットカードで無価値の商品を購入して、高額の手数料を引いた金額を渡すキャッシュバック方式があります。
いずれもクレジットカード会社の規約に反する契約違反行為です。
給料ファクタリング
給料ファクタリングは、給料を債権として業者に買い取ってもらい現金化できる新たな資金調達方法です。闇金が2019年頃からこの仕組を利用して悪質な行為をおこない社会問題になっています。
その手口は、例えば5万円分の給料を買い取り、半額の手数料を差し引いた2.5万円を振り込み、期日（給料日）に5万円全額を返済させるというものです。
実際には給料債権の買取りはおこなわれず、法外な利息（手数料）を支払わせる闇金の小口融資というのが実体です。
経費・領収書ファクタリング
会社の経費や領収書を債権に現金化できる資金調達方法です。「交通費、飲食代、宿泊費なども現金化できる」といったように敷居を低くして勧誘しますが、実体は闇金の小口融資です。
給料ファクタリング業者が経費・領収書ファクタリングと合わせて運用しているケースが多くなっています。
ツケ払い・後払い現金化
利用者に価値のない商品を購入させてSNSなどにレビューを書かせることで、業者は宣伝協力費といった名目でお金を支払います。その後、支払った金額に大きく上乗せした商品代金を後払いさせるという現金化サービスです。
普通の商取引のように思わせますが、宣伝協力費は融資で、それに上乗せして後払いする金額は利息と元本に該当しますので実体は違法な貸金業です。闇金と気づかれないように見せる新手の仕組みであり、実際に闇金とは気づかずに利用して被害に遭うケースが増えています。
先払い買取現金化
先払い買取現金化は、売却したい商品の写真などを送ることで業者は査定をおこない入金をし、利用者は商品を発送するという買取サービスです。
しかし、実際は商品の取引実体はなく、入金を受けた後に取引をキャンセルした体にして、高額なキャンセル手数料を支払わせます。このように買取サービスのように見せかけていますが、実際は違法な貸金サービスというのが実体です。
個人間融資
個人間融資とは個人同士でお金の貸し借りをすることです。近年、掲示板やSNSを使って個人が貸金業無登録でしかも法定外金利で貸し付けをする事例が横行しています。
また、闇金が個人の貸し手を装って違法融資をするケースも増えています。個人間融資の利用はリスクが高い資金調達法であるというのが現状です。
押し貸し
押し貸しは、融資を申し込んでもいないのに口座にお金を振り込んで、後で法外な支払いを請求する闇金の手口です。
闇金は強引な押し貸しをして利用者に逃げられないようしたり、過去に闇金を利用した人をターゲットにお金を振り込んで高額な利息を支払わせようとします。
整理屋
整理屋は、多額の債務で苦しんでいる人に債務整理や闇金解決を持ちかけて、「いい弁護士がいるから紹介する」などと言って、お金だけ受け取って持ち逃げする詐欺商法です。
紹介屋
紹介屋は、「良い貸金業者がある」などと言って紹介料だけを受け取って逃げたり、闇金を紹介してお金を搾り取るなどをおこないます。実際は紹介屋と闇金がグルだったり、一人二役で自作自演を演じて騙すケースもあります。昨今はSNSなどを使って紹介屋が詐欺行為をおこなう事例が増えています。
まとめ
闇金は利用者からお金を払わせるためには手段を選びません。業態を頻繁に変えるなどして、違法金融業を行うことをご理解いただけたと思います。
ここで紹介した闇金や違法金融を利用することで生活が破綻する可能性が高くなりますので、決して利用してはいけません。もしも、お金を借りてしまってお困りならば法律の専門家である司法書士に相談しませんか。
