闇金業者に「完済できなければ利息だけ支払って!」と言われて、毎月利息だけを延々と支払い続けていませんか?
これは闇金の「ジャンプ」という利息だけを支払わせる手口です。闇金の中にはジャンプを積極的に勧めてくる業者がありますが、そこには悪どい裏の理由があります。
そこで、この記事では闇金のジャンプとは何か?ジャンプを続けると返済額はどれぐらい増えるのか?そのリスクと対処法について解説します。
闇金の「ジャンプ」とは?
ジャンプとは、支払期日に元金は返済せずに、利息のみを支払うことです。利払いと同じ意味で金融用語として使われます。
消費者金融の場合、「返済できない理由」「今後の返済予定」を確認して、それに納得してもらえれば、条件付きでジャンプを認めることはあります。
しかし、闇金の場合、特にソフト闇金がそうですが、業者自らがジャンプを勧めてくることがあります。
利用者の中には、「支払いを待ってもらえた…」「次回の支払日まで取り立てがない…」ということで、親切な対応してもらえたと感謝する人もいます。
しかし、闇金が親切心でそのようなジャンプを提案する訳はありません。悪質な思惑が隠されていますので、騙されてはいけません。
なぜ闇金はジャンプを提案してくるのか?
闇金がジャンプを提案してくる理由は、あくまで自社の利益を考えてのことです。
【闇金がジャンプをすすめる目的】
- 借金を完済させないため
- 付き合いを長くして関係性を深めるため
- 高い利息を長期間支払わせて儲けるため
- 警察・弁護士・司法書士に相談させないため
それぞれの理由を詳しく解説していきます。
完済させずに高い利息を長期間支払わせるため
闇金がジャンプをすすめる最大の目的は、完済させないためです。1回で完済させるよりも、カモである利用者から長期間利息を支払わせるほうが、利益をたくさん得られます。
貸した元金分は数回ジャンプさせるだけですぐに回収ができて、あとは儲け続けることができるからです。
取引を長くすることで言うことを聞くようにさせるため
例え相手が闇金であっても、取引が長くなると利用者は心を許しやすくなります。いつの間にか親近感を持つようになる人もいます。
関係が深くなることで、闇金からの頼まれごとを断りにくくなるでしょう。闇金にとっては、それこそが思う壺です。
系列の闇金を紹介されたり、携帯・口座の提供をさせられたりと、いいように使われてしまいます。
警察・弁護士・司法書士に相談させないため
闇金が最も恐れるのは、「警察に逮捕されること」「弁護士・司法書士の介入」です。つまり、闇金融という商売ができなくなることです。
そのため、親切なフリで利用者をコントロールしようとします。また、「借りたお金は返すのが人として当然のことだ…」などと、もっともらしい事を言って、支払いを続けさせようとします。
そして、「警察は借金のような民事事件には介入しないよ…」「弁護士に相談してもお金の無駄だ…」などと、言って相談させないように仕向けます。
闇金にジャンプした場合の返済額
闇金にジャンプすることで、7~10日間は取り立て・嫌がらせを受けることなく、平穏な日々を過ごせるかもしれません。
しかし、ジャンプは支払いの先延ばしであり、支払総額を増やしてしまうことになります。
ジャンプを重ねることで、いかに多額の利息を払い続けることになるのか借入額10万円、金利は闇金の中ではメジャーなトサン、トゴの場合の返済額を見てみましょう。
状況 | 返済額の合計 |
---|---|
借入日 | なし |
10日目(1回目) | 3万円 |
20日目(2回目) | 6万円 |
30日目(3回目) | 9万円 |
40日目(4回目) | 12万円 |
50日目(5回目) | 15万円 |
60日目(6回目) | 18万円 |
状況 | 返済額の合計 |
---|---|
借入日 | なし |
10日目(1回目) | 5万円 |
20日目(2回目) | 10万円 |
30日目(3回目) | 15万円 |
40日目(4回目) | 20万円 |
ご覧のように闇金の金利は超高金利ですので、2,3回ジャンプすれば返済した利息の総額は借りた元金を上回ります。
しかも、闇金への支払いを完済させるためには、超高金利の利息のほかに、元金も用意しなくてはなりません。安易にジャンプを繰り返しても、いずれ返済を続けることは困難になります。
そうなると、これまで優しくジャンプをすすめてきた闇金業者も、厳しい取り立てを始めてくることでしょう。
闇金との関係を長期化させてはいけない理由
闇金でジャンプをし続けてはいけない理由は、単に返済額が増えてしまうということだけではありません。闇金との関係が深く・長くなることで相手は様々な要求をエスカレートさせてくる恐れがあるためです。
超高金利のジャンプを繰り返していくうちに、最後は利息すら支払えなくなるというのはよくあるケースです。
闇金業者は、散々ジャンプを繰り返させた挙げ句、利息が払えなくなるのを見計らって、さまざまな要求をしてきます。
携帯電話や銀行口座の提供を求められる
闇金からの要求で多いのが携帯電話や銀行口座の提供です。闇金は、警察・弁護士・司法書士の介入により、携帯電話の利用停止や銀行口座を凍結させられることがあります。
そのため、商売道具である新しい携帯・銀行口座を常に求めています。「利息が払えなければ携帯を貸せ」「通帳・キャッシュカードを郵送しろ」など、交換条件として求めてきます。
この2つはいずれも違法行為になります。このような名義貸しとも言えることに応じてしまうと、提供した側も処罰を受ける可能性がありますので、決して渡してはいけません。
項目 | 法令 | 罰則 |
---|---|---|
銀行口座の提供 | 犯罪収益移転防止法第28条 |
|
携帯電話の提供 | 携帯電話の不正利用防止法 |
|
闇金の仕事を手伝わされる
闇金の中には系列店舗を複数持って組織的に違法金融業をおこなっている業者がいます。勧誘、利用者との応対、貸付け、入金確認など業務が多いため、支払いができなくなった利用者に仕事を手伝わせることがあります。
ソフト闇金業者の半数近くが、元々は利用者だったというケースもあります。このように闇金の仕事に加担するとそれは犯罪行為ですので、逮捕されて刑務所に服役するということも実際にあり得ます。
闇金のような犯罪組織とは、「できるだけ関係を持たない」「借りてしまったらすぐに関係を断つ」ということが重要です。
闇金からジャンプの提案があったときの対処法
ここまで説明してきたように、闇金でジャンプすることにはリスクしかありません。ジャンプを勧められたら、以下のように対処しましょう。
- 闇金への支払いそのものをしない
- 闇金に強い弁護士・司法書士へ相談する
1.闇金への支払いそのものをしない
まず、違法業者である闇金には「一切支払いをしない」という強い意志を持ちましょう。借りた弱みがある」「借りたものは返さなくてはならない」などと、考えることは不要です。
そもそも、闇金の貸付けは超高金利で、出資法・貸金業法・利息制限法それぞれに違反している犯罪行為です。
日本の中央銀行である日銀も闇金業者には毅然とした対応が必要であることを述べています。
ヤミ金融には,まず被害者が強い気持ちをもって毅然とした対応をすることが大切です。ヤミ金融の最大の弱点は,彼らが犯罪行為を行っていることです。ヤミ金融業者は,警察に逮捕・摘発されて,商売ができなくなるのを恐れています。ヤミ金融を利用してしまっ た被害者は,ヤミ金融から暴力的・脅迫的な取立てを受けた場合でも,恐れることなく毅 然と対応し,警察に被害届を出したり,刑事告訴を行ってヤミ金融を撃退することができ るのです。
うっかり借りてしまっても、闇金には元金どころか利息さえも支払う必要が無いことをご理解ください。
ただし、最初から返済しない前提で借りることは、借りた側が詐欺罪に問われる可能性もありますので注意してください。
2.闇金問題に強い弁護士・司法書士へ相談する
返済しないと決め込んで闇金業者を無視すると、鬼のような取り立て・嫌がらせをおこなわれ、職場・家族にも同様に連絡が行きますので、周りに迷惑をかける可能性が高くなります。
「返済しない」「闇金とは関係を断つ」と決めたら、すぐに弁護士・司法書士に相談することが最善策です。
緊急時には警察へ相談することも必要ですが、実際に暴力を受けるなどの被害がなければ、すぐに動いてはくれません。
弁護士・司法書士に解決を依頼すれば、最短当日に取り立てが止まるでしょう。以降は闇金からの連絡も来なくなります。依頼する場合は、闇金問題に強い弁護士・司法書士に依頼することがポイントです。
【闇金問題に強い弁護士・司法書士の特徴】
- 闇金との交渉に慣れている
- 闇金に対して一歩も引かない
- 最短当日でスピード解決ができる
- 経験・実績が豊富である
- 警察と連携して対応してくれる
まとめ
闇金のジャンプとは、利息だけを支払い元金の返済を先延ばしにすることです。ジャンプを繰り返すことで、借りたお金以上の返済をし続けなければならなくなります。
また、闇金との取引期間が長くなることで関係性が深まるというリスクも生じます。
闇金からジャンプをすすめられても毅然とした対応で断って、すぐに違法金融に強い司法書士へ相談しましょう。グリフィン法務事務所は、闇金に強い専門家です。
しっかりサポートして早期に解決しますので、まずは電話・メールから無料相談をなさってください。