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新しいSNS、マストドンって何?

新しいSNS、マストドンって何?
SNSといえば、有名なのはmixi、Twitter、Facebook、Instagramです。そしてそれらに付随して、今までたくさんの類似サービスがリリースされ、一瞬注目されては忘れられるということを繰り返してきました。そんな過去数年を経て、少し落ち着いてきたかに見えたウェブサービス・アプリ業界。しかし、今年の春からインターネット・フリークやパソコンマニアたちに騒がれているSNSがあります。それが「Mastodon(マストドン)」です。

「また、一時騒がれてすぐに消えるんでしょう?」と思われるかもしれません。しかし、これがもしかしたらそうはならない可能性があるくらい、好発進を遂げているのです。そんな注目のSNS、マストドンについて書いていきたいと思います。

日本で今流行中のマストドンはTwitterの500文字版!?

マストドンはドイツ発、フリーなオープンソースの非集約型のソーシャルネットワークです。2016年10月にリリースされました。フリーソースですので、他のSNSのような運営会社が一括管理を行っているわけではありません。文字は500字まで投稿することができます。便利機能として、不適切な投稿には警告を表示させることができます。

そのため、職場や学校などで表示したくない内容は見えないままにしておくことが出来ます。広告などはありません。発表からぐんぐんと登録者数を伸ばし、2017年5月初旬の時点では世界で約60万人に。日本人も数多く登録しているといいます。

まずはインスタンスに登録

使用するには、まず好きな「インスタンス」(サーバー)を選び、アカウントを登録する必要があります。登録を行うと、インスタンス内のユーザーのトゥート(マストドン版のつぶやき)が流れるほか、別のインスタンスに登録しているユーザーをフォローすることが出来ます。PCではブラウザで見ることが出来ますが、スマートフォンで見るにはアプリが便利です。iOS、Android向け共にアプリが既にあるので、そちらを使ってみましょう。

インスタンスによってカラーが違う

簡単に特徴を説明しましたが、以上のようにインスタンスの存在がこのSNSの大きな特徴となっています。ユーザーは自由にインスタンスを設けることが出来ます。すでに世界中に何百種類ものインスタンスが登場していますが、大手企業から個人まで管理者は様々です。

日本のものは当然、日本語のユーザーが大多数になり、PIXIVが運営しているPAWOOでは、イラストレイターや絵が好きな人達が多く登録するなど、各インスタンスによってユーザーの趣向から投稿内容まで異なります。

Twitterと同じ轍を踏まないように学んでいる

Twitter離れを起こしている人々は、広告の表示と、いじめ・煽りの存在がないSNSを今一番欲しているのではないでしょうか。ユーザーは無料でサービスを利用しているものですが、えてして広告表示を嫌います。できれば何の煩わしい表示もないSNSを誰もが望んでいることでしょう。

マストドンはインスタンスという管理体制を取るため、広告が表示されていません。企業側にしてみれば、収益を上げる方法がないか必死に模索すること必至ですが、従来のSNSと比べて企業が入り込む余地は狭くなっています。それどころか、個人のブログ記事追加のリンクすら疎まれるような雰囲気があります。

昨年の米大統領選に象徴されるように、Twitterでは声の大きな者が注目を浴びる傾向にありました。その結果、倫理的な判断が欠落した、過激な発言が横行しました。差別や攻撃的な発言はTwitterのルールによって、禁止されていますが、投稿サービスという性格上、全てを検閲することは不可能でした。

それによって、多くの人がTwitterが使いづらくなったことを感じ、辟易してしまいました。マストドンではインスタンスによって禁止事項が異なりますが、どのサーバーでも法律に反することは禁止されています。投稿の倫理判別に関しては、コミュニティ力が試されると言えるでしょう。

マストドンのデメリット

個人の運営には危険な面もある

既存のSNSでは、運営会社の一存でユーザーが凍結されたり、投稿が削除されたりしました。マストドンでも、管理人の意やルールに反すればブロック(BAN)されてしまいます。しかし、それだけではありません。サーバー管理が個人に委ねられているということは、情報が悪用される危険性もあるということです。

また、セキュリティー上の脆弱性も否定できません。個人情報流出対策として、メールアドレスやパスワードはマストドン専用のものを設けておいたほうが良いでしょう。これは大企業というある種の権力の手を離れることのデメリットとも言えるかもしれません。

若者、大衆に受容されるにはまだ早いか

若者に今流行のSNSといえば、InstagramやSnapchatといった画像共有サービスです。視覚的で分かりやすく、煩わしい政治的論争や差別も起こりにくいプラットフォームです。アプリをインストールして、メールアドレスとパスワードを登録するだけで利用ができます。

そんな簡単でユーザーに優しいSNSに慣れ親しんだ若者が、インスタンスやらアプリやら、選択肢が複数あるようなサービスに飛びつくでしょうか。そもそも、人は500字もの文章を書きたいでしょうか。

また、同じ理由でこのソーシャルネットワークが一般大衆化するのは難しいように思えます。しかし、流れが変われば、大衆受けする可能性はあります。特に、日本は一時期世界で一番ブログを書いたこともあるほど、活字好きです。ブログのような使い方をすれば、日本では流行るかもしれません。

既存のSNSとは少し違った昔懐かしいSNS

マストドンのインスタンスという仕組みは、ウェブプログラマーの一部にとっては、Gnu Socialというかつてのマイクロブログサービスを彷彿とさせるようです。また、初期からのネットユーザーからはチャットを思い出すという声が上がっています。

「インターネットの原始の姿のよう」と表現する人もいるように、かつてオープンソースという可能性の大きさに胸を躍らせたことがある人には、ある種のノスタルジーを抱かせるもののようです。そういった感情的な魅力も相まって、このマストドンはアーリーアダプターからの評価が概ね高いのではないでしょうか。