ネット炎上

ネット炎上は企業にとってプラス?マイナス? 事例から見た効果的な3つの対応策

ネット炎上

ネット炎上と言う言葉が一般的に知られるようになって久しくなりました。最近では”ネット炎上”が企業の株価や売り上げを押し下げる事例が発生するなど、経営基盤を揺るがすリスクとなっています。

今回はネット炎上をテーマに、いままでどんな炎上騒ぎがあったか、その原因と企業の対応などから「炎上に対する効果的な対応策」を3つご紹介します。

ネット炎上に対する企業の対応

多くの企業ではネット炎上のリスクに対処すべく、社員教育のほか、炎上が起きたときの対応マニュアルを作り、その対策に余念がありません。

その一方で、ネット炎上に近い話題を意図的に起こし世間を注目させる「炎上マーケティング」により利益拡大につなげようとする、したたかなプロモーション展開を行っている企業も存在します。

このようにマイナス面だけでなく、プラス面もあるネット炎上について、企業の立場ではどのように考えるべきなのでしょうか。果たして企業にとって売上の増大をもたらす追い風となるのか、はたまた倒産という崖っぷちに追い詰められる向かい風となるのでしょうか。

ネット炎上の本質とは

まず初めに企業のネット炎上とは何かを定義しておきましょう。

ネット炎上とは、企業が発信したプロモーションの内容、社員の行為、会社の決定などを話題とした批判、誹謗中傷などがソーシャルメディアや掲示板に書き込まれ、それが殺到した状態を言います。

この炎上をきっかけとして、企業の不正やマイナス面が明るみになり、消費者を保護する役割を果たす場合もありますが、多くの場合はユーザーの正義感や怒り、批判的な書き込みを見たユーザーのさらなる批判が重なり、反論や議論の余地なく収拾が付かなくなる負のエネルギーによって満たされた状態になるケースが多いのが特徴です。

このことからネット炎上は企業にとって「破壊的な力を持つ」可能性があるのです。

ネット炎上事例

それではネット炎上が企業にダメージを与えた事例を見ていきましょう。

ベネッセコーポレーション

同社が保有していた個人情報が約3,500万件漏えいした。その「おわび」として、「金券500円分を配布する」という対応に批判が殺到。

以上最大クラスのネット炎上に発展。取締役の辞任や顧客減少など黒字経営を続けていた同社が赤字に転落。炎上が会社そのものを揺るがす事態となった。

ピーシーデポコーポレーション

会員サービスの解約料が高額だとSNSでさらされ、企業に批判が殺到。相手が高齢者で同情の念と企業側の不誠実さが明るみになり、結果、株価が半値以下まで下落するなど経営基盤に大きなダメージを負った。

DeNA

同社が運営するまとめサイト『WELQ』に掲載していた記事の信ぴょう性が薄い、などとユーザーに批判され、その否が検証によって明るみに出るとともに炎上。全記事の非公開、全広告の停止、に加え、630万人を超えていたサイトの利用者を一度に失うことになった。

ユニチャーム

タンポンの広告動画が女性蔑視的と批判を受けたその数日後、紙おむつ「ムーニー」の動画広告が「ワンオペ育児※」を彷彿とさせるという批判を受け、これまた炎上。ズレている企業体質へ批判の声があがる。

※ワンオペ育児:家事と育児を父親、母親のどちらか一方だけが担当すること

P&G

消臭剤のファブリーズを用いて「くさや」の臭いを消臭することが出来るかどうか、というテレビCMを流したところ批判が殺到し、CMが中止になった。

資生堂

25歳の誕生日を迎えた女性と言う設定で、クリスマスケーキを前に友人たちから「今日からあんたは女の子じゃない!」「もうチヤホヤされないし、ほめてもくれない」といったセリフを浴びせられる化粧品のCM。

この状況を自分のことのように投影した視聴者から批判が起き、CMが放送中止になった。

鹿児島県志布志市

ふるさと納税のPR動画で養殖ウナギをスクール水着の女性に見立て「大切に育てている」ことをアピール。女子蔑視と批判され、ニュースにも取り上げられる。市は公開から5日後に動画を削除となる。

ベネッセやPCデポの事例は会社の経営基盤を揺るがすほど、ネット炎上が大きな影響を与えるものでした。そのほかの事例でも対応を一歩間違えれば、さらなる炎上へと発展しかねないリスクを抱えています。

効果的な”ネット炎上”3つの対応策

ネット炎上対策で重要なのは以下の3つです

1.不快・怒りを買いやすい話題を理解する
2.発信情報に対する多角的なチェック体制
3.企業としての柔軟性を日頃から大切にする

これまで取りあげた事例はマスメディアでも取り上げられたまさに”大炎上”とも言うべき事例です。これ以外にも炎上の火種となるものは数多くあるでしょうが、共感を得られずにそのままフェイドアウトしているものもあります。

ただツイッターや個人のブログなどごくごく一部のユーザーで取り上げられる批判的な意見や怒りは、そのまま「ネット炎上」につながるわけではありません。その話題が多くの人の共感を生み、複数のネット掲示板に上がった時点でネット炎上となります。

そしてこのネット炎上を嗅ぎつけたマスコミによって、さらに大々的に報道されてしまうと、いよいよ収拾がつかない事態となります。

まずは「不快」と「共感」に敏感になるべき

ネット炎上のエネルギー源は、発信された情報に対する不快や、怒りです。こうした不快や怒りはSNSや掲示板が無かった時代はこうした感情に対して鈍感でいられたのですが、今はそうではありません。

自分の不快感や怒りを自分以外の多くの人々に共有可能なSNSや掲示板というベースがあります。

爆弾のようなものと考えればわかりやすいかもしれません。着火点となる火は、企業のリリースした情報、導火線は一部のユーザーの書き込み、火のついた導火線が湿気らずに最後まで燃えて、マスコミの報道で掲示板の情報を知らない人びとまで一度に情報が拡散し、やがて爆発する。

今までは不快感や怒りはこれほど早く、そして企業や自治体の中枢にダメージを与える存在ではありませんでした。このことを理解している人が、果たして企業の上役にどれくらいるかどうか。リテラシーのない人が会社を動かす立場いると、ネット炎上をきっかけに、新たなダメージを企業に与えるかもしれません。

リテラシーとは、炎上しやすい話題やSNSの特性、利用頻度の高いユーザー特性を理解しておくことが大切になります。動画やCM、その他自社発信されるコンテンツにはしっかりとしたチェック体制を設け、社外にもチェックを依頼できる体制を整えておくと良いでしょう。

企業の柔軟性や懐の深さが「炎上」ではなく「拡散」を生む

新商品やプロモーションの情報を怒りや不快感を伴わず発信できれば、ネット炎上≠拡散という形で話題になり、多くの人々の注目を集めることができます。それは新商品発売時の恰好のプロモーションにもなれば、CMを打つお金のない企業の重要な広告手段にもなります。

ネット炎上ではなく、拡散をうまく利用すると企業としてより良い成果を得られるでしょう。いわゆるバズマーケティングというものです。企業にとって有用な拡散は、拡散されるべき内容が好意的なものである条件が付きます。もしくは好意的なメディアから拡散されたものであればそれを見ている人びとは信頼を置くでしょう。

まとめ

好意的な拡散を生み出す条件とは、普段からSNSを運用し、企業体質をしっかりとアピールしておくことが重要です。

その意味で、ユニクロやサントリー、トヨタ自動車、良品計画といった企業のSNS活用状況と、好感度の高さのリンクは注目に値します。一度これらの企業が行っているSNSを見て参考にされてみてはいかがでしょうか。