【質問】
公益性のあるネット情報はなぜ削除できないの?

【回答】
ネットの書き込み・投稿で削除できないケースに「公益性」というものがあります。公益性とは「特定の個人や組織の利益ではなく社会全般の利益。公共の利益に関すること」を指します。

ネットの掲示板やSNSなどの書き込みについて、「公益性」を理由に削除を断られるケースは少なくありません。例えば、Youtubeのコンテンツ削除基準には以下のような文言が書かれています。

プライバシー侵害の申し立てが報告された場合、YouTube は公益性、ニュースバリュー、コンセンサスを最終決定要因として考慮します。
【引用】:YouTubeプライバシーの保護

Youtubeの親会社であるグーグルは、過去に振り込め詐欺の逮捕歴がある男性から、検索結果に表示される逮捕情報についての削除依頼を受けましたが、「公益性」の観点から拒否しています。

その男性にとってみれば、過去の事件であり、十分罪は償ったということですが、グーグルの見解は”事件の性質上、公共の関心も多く公共性がある事件である”だから削除の必要なしという考えのもと却下したようです。

このように裁判になったものの「公益性という観点」からグーグルが勝訴したというケースは少なくないようです。しかし、「知る権利」もあれば「忘れられる権利」という削除要請した側の権利が認められる判決も出てきています。

公益性のあるネット情報ゆえに削除できないケースは、このような社会に影響を与えた刑事事件だけではありません。

以下のような人たちが起こしたトラブルも「公益性」をたてに掲示板運営者が削除しないことがあります。

・芸能人、スポーツ選手などの有名人
・有名な会社の役員
・医師、教師、公務員など権威性が高い職業従事者

要するに掲示板は、社会的に認知度が高い人たち、権威性を持った人たちが何らかのトラブルを起こしたら、それを一般の人は知る権利があるという「公益性」を主張するわけです。

社会的にインパクトがある事件ならまだしも、不起訴のように事件化していない事案でも削除を拒否する掲示板はあります。しかし、有名人だからと言って、必ずしも書き込み情報を削除できないわけではありません。

【参考】:逮捕歴(犯罪歴)・前科の記事を削除しないリスクを解説

実は「公益性」に該当しないようなケースでも、「公益性に該当する」として削除を拒否する掲示板やブログも中にはあります。削除要請を拒否されからと言って泣き寝入りしないことが大切です。