スマホで簡単に写真や動画が撮れてSNSやyoutubeなどにすぐにアップできるようになったいま肖像権をめぐるトラブルが多発しています。

見ず知らずの人が自分のことを無断で撮影したり、知り合いであっても自分と分かる写真をブログやSNSなどに勝手に公開する行為は誰にとっても心外なことです。

そういう行為から個人を守るために肖像権(個人の承諾なしに勝手に容貌等を撮影されたり公表されたりすることがない権利)というものが存在し、「勝手に個人を撮影したりその写真を公表したりすること」が肖像権侵害に該当する行為になります。

ただ、日本には肖像権侵害を規定した法律は存在しないため、刑事責任に問われることはありません。しかし、民事上では人格権、財産権の侵害という観点から差止請求(公開の取消)や損害賠償請求をする事が可能です。

・人格権とは「個人が社会生活上有する人格的利益を保護する権利」をいい、肖像の無断利用はプライバシー侵害に該当し、不法行為(他人の権利・利益などを侵害する行為)とみなされます。

・財産権とは「財産的利益を有する権利」をいい、有名人(アイドル・俳優・モデルなど)の肖像はそれ自体に顧客を引き付ける価値があり、その無断利用は「顧客吸引力から得られる利益を独占する権利」(パブリシティ権)の侵害に該当し、不法行為とみなされます。

例えば、あるサイトに個人の写真が無断で使用された場合、一般人の場合には「人格権としての肖像権」が考慮され、有名人では「財産権としての肖像権」が考慮されます。肖像権侵害の加害者にならない為には以下のことに気を付ける必要があります。

1.被写体となる人に事前に撮影の許可を得ること。
2.撮影した写真をどのような用途に利用(ブログに掲載するが、それ以外の方法では公開はしないなど)するか伝え、同意を得ること。
3.被写体以外に個人特定が可能な人物が映り込んでしまった場合には画像加工ソフトでボカシを入れること。

また、被害者となってしまった場合は、公開者を特定し、まずは公開者に直接、差止請求が先決すべきことです。それでも写真を削除してくれなかったり、精神的苦痛が大きく損害賠償請求をしたい場合は民事裁判を起こすことも可能ですが、裁判費用も高額ですし、一般人で裁判に持ち込み損害賠償を勝ち取れる可能性は低いため十分な考慮が必要です。

近年、自分や家族が写っている画像が許可なく勝手に掲示板・ブログにアップされたり、どうようにyoutubeに動画がアップされる被害が増加しています。また、盗撮された画像、動画がアップされる被害も増加しています。

いずれも、知人からの指摘で気付くことが多く、場合によっては人に見られたくない恥ずかしい写真がアップされることも多数存在します。そのまま放置しておいては多数の人々の目に自分のプライバシーを晒し続けることになり、精神的ダメージは大きくなるばかりです。

被害が大きくなる前に早急に公開者を特定し公開の取消を要求することが必要だといえます。